「ナショナルサイクルルート」に選定されることの効果
「ナショナルサイクルルート」の選定は、第3者委員会により、走行環境などの指定要件を満たしているか検討され、来月中にも指定の可否を判断されるそうです。
「ナショナルサイクルルート」に指定されれば、ブランド力や知名度が向上し、更なる観光振興や地域創生の機動力になることが期待される。
さらに、社会資本整備総合交付金等により、地域の取組に対して重点的に支援されるとのこと。
是非、交付金等により老朽化している街並みなどの再整備も行って、インバウンド向けに、すばらしいサイクリングトードと瀬戸内の美しい風景や街並みを、アピールできるようにな、しまなみ海道になって欲しい。
「ナショナルサイクルルート」候補地の利用者数の推移は?
今回「ナショナルサイクルルート」に選定された候補地の利用人数の推移について比較をしてみた。
単位: (万人) |
しまなみ海道 「サイクリングロード」 |
ビワイチ | 霞ケ浦 「りんりんロード」 |
---|---|---|---|
H29 | 33 | 9.5 | 5.5 |
H30 | 33.2 | 10.6 | 8.1 |
R2目標 | 35 | 16.5 | 10 |
利用人数は、圧倒的に「しまなみ海道」が多い。
ただ、琵琶湖という「日本最大の湖」「京都・大阪とい観光地への隣接」という周辺商圏を考えると、「インバウンド」を目標のひとつとする場合に、「ビワイチ」という選択も有りうるか。
安倍政権は、「地方創生、地域活性化」を政策目標の一つとして挙げているのであるから、「しまなみ海道」という「知名度は高いが、地元への還元はそれほどされているわけではない」という視点に立てば
必ずしも豊かに潤っているわけではない「しまなみ」の地域の生活が、「ナショナルサイクルルート」の選定をしたことで、より豊かな生活が送れるようになるのであれば、インバウンド⇒地方創生として「「ナショナルサイクルルート」」が効果的に働くという実績を、より国内外に成果をアピールできるのではないかと思うのであるが。
しまなみ海道が「ナショナルサイクルルート」に指定される条件について評価してみた
しまなみ海道大好きのサイト管理人2ka-tsuka(つか・つか)としては、是非、しまなみ海道が「ナショナルサイクルルート」に指定されてほしいので、何度もしまななみ海道を走っている体験から、「しまなみ海道が「ナショナルサイクルルート」として指定される条件に沿っているか」という点で、2ka-tsukaなりに評価してみた。
1.「魅力的で安全なルートであることや、案内表示が整備されているか」について
評価項目の中で一番はじめに書かれているのが、「魅力的で安全なルートであることや、案内表示が整備されているか」という項目である。
この項目についての、具体的な内容は以下の項目が、しまなみ海道のサイクリングコースの中では、評価されている。
- 自転車の走行ルートを明示するために「ブルーライン」を設置
- 自転車の安全走行を目指し、自転車通行レーンの拡幅
- 青矢羽根による通行ルートの明示
- ルート内各所にわかりやすい安全標識の設置
初心者でも安心してサイクリングを楽しめる「しまなみ海道」のブルーライン
しまなみ海道といえば、しまなみ海道の初心者も、安心して目的地に到着できるように、「ブルーライン」が引かれていることは、あまりにも有名。
このブルーラインは、メインルートとともに、島の外周のルートにも、安心してサイクリングが楽しめるように整備されている。
このように、安心してサイクリングロードが、「メインルートとともに、メインルートとは別に地域を周るルート」にも、整備されている例は、「ビワイチ」や「つくば霞ケ浦りんりんロード」には、国交省の資料をみる限りにおいては見られない。
しまなみ海道では安全に走行できるように自転車の通行レーンの拡幅工事が行われている。
2ka-tsukaが、「しまなみ海道ってすごい」って思ったのが、②の「自転車の安全走行を目指し、自転車通行レーンの拡幅」という、改修工事が行われているのを、実際に見たことである。
しまなみ海道では、数年前から、交通量の多い箇所では、歩道の幅員をせばめ、自転車が走るためのレーンを広げる拡幅工事が行われている。こんな工事を行っているところって、他所では見られないのではないだろうか。
ビワイチが「ナショナルサイクルルート」に選考された際のニュースをみると
県内で昨年発生した自転車が関係する人身事故673件のうち、約3・4%にあたる23件がビワイチのルート上で発生している。県警交通企画課は「23件には、通学中のものなども含まれる」とした上で、「琵琶湖大橋より南側では、駐車場から出てくる車などとぶつかるケースが目立つ。自転車同士の車間距離を保つなど、基本的な交通ルールを順守してほしい」としている。
というような紹介もされている。
とっても判り易いしまなみ海道の案内板
しまなみ海道の案内板は、見やすくて大変わかりやすい。
はじめてしまなみ海道へ行った時も、この案内板に、随分と助けられた。当然「多言語表記」されてある。
ブルールートと案内板のおかげで、はじめてしまなみ海道へ来る人は、安全に走行できるように、配慮が行き届いているのも、しまなみ海道が「ナショナルサイクルルート」として相応しい条件に沿っていると思う。
2.受け入れ環境について
多様な交通手段に対応したゲートウェイが整備されていること
鉄道駅などに、レンタサイクルや着替え場所等が整備されていること 他
いつでも休憩できる環境を備えていること
サイクルステーションがルート上に概ね20kmごとに整備されていること 他
サイクリングコースの中に、「いつでも休憩できる環境があるか」「例えば、サイクルステーションが概ね20kmごとに」ということであるが、しまなみ海道はレンタサイクルというレンタサイクルの施設があるから、これは完璧にクリアされているよね。
20kmなんてものではなく、6kmほどの間隔で、休憩スペースは確保されているってこと。
基本的にはレンタサイクルターミナルは、道の駅などや観光案内所、レジャー施設などに設置されているから、休憩できるスペースは、十分に確保できている。
それぞれのレンタサイクルターミナルは、レンタサイクルターミナルごとに、特徴のある場所や施設だから、休憩できる環境は、十分に準備されている。
サイクルオアシスでは無料で休憩したり水を貰えたり、空気入れを借りられたりできる。
しまなみ海道の中のサイクリングコースでは、「サイクルオアシス」という、垂れ幕をみることができる。
この垂れ幕は、しまなみ海道のサイクリングコースの中で、各所で見ることができる、サイクリストのための休憩所。
島民の皆さんのボランティアで運営されているんだけど、きちんといろいろな審査を経て認定されている休憩所。
給水やトイレ、パンクしたときのために、工具の貸し出しや空気入れも借りることができる。
実際にサイクルオアシスを利用した体験談を紹介しているので、よろしければどうぞ↓↓↓
ルート沿いに自転車を運搬しながら移動可能な環境を備えていること
しまなみ海道の中のバス移動
この写真は、自転車の前輪だけをはずして、そのままバスの中にもちこむことができる、バス「しまなみサイクルエクスプレス」↑↑↑
しまなみ海道のサイクリングコースは、バスやフェリーをコースの中に織り込むと、しまなみ海道を効率的に回る運行計画がたてやすい。
しまなみ海道はフェリー移動を織り込むと計画が立てやすい
フェリーや高速船であれば、輪行をすることなく、自転車を持ち込むことができる。
上の写真↑↑↑は、2018年に就航をはじめた、Cycleship Lazuli(サイクルシップ ラズリ)
引用:尾道観光情報局
サイクリストへの想いがあふれたこだわりの自転車と一緒に乗れる船です。旅客定員75名(うち客室内45席)、自転車積載台数(参考)約50台のほか、Wi-Fi 無料接続はもちろん、バリアフリーの設計となっています。
尾道から瀬戸田へ、なんと自転車50台も運搬することができ、しかも乗客も快適に過ごせ、外観もおしゃれという、素敵な船なのである。
この他にも、しまなみ海道はフェリーの航路が充実している。これらの航路を上手に使って、しまなみ海道のメインルートだけでなく、さまざまな地域を回遊できるのも、しまなみ海道の魅力だと思う。
自転車を運ぶタクシーも登場
しまなみ海道の中では「サイクルタクシー」というものまで登場した。
サイクリングの途中で体調が悪くなったり、「このルートはショートカットして、ほかへ行きたい」などの事前に予測できる場合は、あらかじめ時間の指定をしておいて、自転車タクシーを利用して、今まで行ったことのない場所まで、タクシーを利用して移動することができる。
タクシーの料金は、従来のタクシーと同様とのこと。
安心してしまなみ海道のルート選びのひとつとして、注目のサービスがはじまっている。
後編へ続く⇒「ナショナルサイクルルート」に選定された「しまなみ海道」。「ナショナルサイクルルート」の選定条件を検証してみた。(後編)